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コーヒーの基礎知識 001 ~コーヒー豆の品種~

本格的にコーヒーを始めるときに最初に気になるのが、コーヒーの品種。ブルーマウンテン、モカ、キリマンジャロ、ハワイコナ、トアルコトラジャなどなど。

でも、その名称が意味しているものが何なのかわかっているようで本当はわかっていないことだらけ。モカは酸味が強く、などということが多いが、本当なのだろうか。

そのような特徴を知る前に、まず知って置かなければならないことは盛りだくさん。

でも、今回はその入口なので、結論から言って、覚えておくことは次の4つ。

  1. いわゆるブルーマウンテン、モカ、キリマンジャロというブランドとコーヒー豆の品種はほぼ無関係。
  2. 本当は沢山の品種があるが、引用として流通しているのは大きく分けてアラビカ種とロブスタ種の2つ。
  3. ロブスタ種は安物のコーヒーでアラビカ種が高級品。
  4. アラビカ種の中に細かく品種が分かれていて、これからこのあたりを少しずつ覚えていく。

まずはこのことだけをしっかりと覚えておくべき。

そして、上記4つをきちんと念頭に置いて、ここから、細かい話をしていくことにする。

お米には大きく分けて、ジャポニカ米とインディカ米というのがある。ジャポニカ米がいわゆる日本米で、もっちりしていて美味しい。インディカ米はいわゆるタイ米でパサパサしていてうまくはない。

それとちょうど同じような関係なのがコーヒーのアラビカ種とカネフォラ種。カネフォラ種と言うのは、昔はロブスタ種という呼び名が一般的だったが、学術的にはコフィア・カネフォーラというのが正しい。ロブスタというのはカネフォラ種のなかの一品種なのだが、カネフォラ種のほとんどがロブスタ種なので、ロブスタ種という言い方が一般的になってしまったようだ。オフロードを走る車をジープと呼ぶのと似たようなものだ。今では一応アラビカ種に対しては、カネフォラ種という括りをあちこちでしているのだが、それでも、昔からの人は別にそんなことは気にせずロブスタ種と今でも呼んでいる。まぁ混沌としているのが常態のコーヒー界においてはそれでだれもなんとも思わないのが、普通。Calma calma aqui Brasil! という精神なのだろう。

話をもとに戻し、香り高く豊かな味わいのアラビカ 種に対し、カネフォラ種は苦味やカフェインが強く美味しくない、という大きな区分けになっている。だからアラビカ種100%というのがどこも売りになっているのだが、だったら、全部アラビカ種にすればいいじゃないか、というふうに考えるのが当たり前。で、その通り、コーヒー生産者たちは、カネフォラ種を捨て、どんどんアラビカ種に転換していった。ブラジルでは総生産のうち80%近くがすでにアラビカ種で、この勢いは止まらない。と思いきや、全世界のコーヒー生産量が増加する中、さび病という病気に弱いアラビカ種を見限って一斉にカネフォラ種に転換したインドネシアや外貨獲得のために生産性の良いロブスタを大量に生産し始めたベトナムなどの勢いに圧され、じわじわカネフォラのシェアが上がっているそうだ。ブラジル国内でも、アラビカ種の生産が安定しないこともあってか、カネフォラの生産量がじわじわ増えているのに対して、アラビカ種の生産量が下がってきている。

美味しくもないカネフォラが大量に生産される背景としては、コーヒーを飲む人全員が100g500円する豆を購入できるわけではない、ということに尽きる。プレミアムコーヒーはアラビカ種100%、インスタントや缶コーヒーはカネフォラ種にほんの少しアラビカ種を混ぜたブレンド、という住み分けができているので、品質が低くても安価なコーヒーの需要は尽きないだろう。

ロブスタは、安物でダメだという話ばかりをしているが、そうは言っても、カネフォラ(ロブスタ)にもいいところがあるはずだ。と思っていろいろ調べて入るものの、比較的病害虫に強い、生産性が良い、苦い、味が濃い、カフェインが強い、というなんとも今の風潮に全く合わない長所がつらつらと並べられるだけである。これはなんとも悲しい。野暮ったい田舎娘と都会から来た深窓の令嬢という漫画でも描かないような見事な対比になっている。

だから、これからコーヒーについて詳しくなろうとしている人は、まず、アラビカVSカネフォラという図式を覚えたら、さっさとアラビカ種の中の細かな品種を覚えることに専念して、カネフォラの3台品種、ロブスタ、ウガンダ、コニロンなどというマニアックなことを覚えるのに労力を割くのはやめたほうが良い。今後とても美味しいカネフォラ種が出てきたとしても、そのときに改めて覚えれば済むことだ。

さて、次に、アラビカ種だったらなんでも良いかというと、アラビカ種の中にも更に品種が分かれていて、その品種をしっかりと覚えることが大切だ。コメで言ったら、コシヒカリ、あきたこまち、ササニシキという品種の話になってくる。

アラビカ種の中には、ティピカ種というのがあり、このティピカ種というのが現在流通している殆どのコーヒー豆のご先祖様である。

このティピカ種から突然変異で生まれたのが、ブルボン、スマトラ、マラゴジッペなど。その中からさらに突然変異でカトゥーラなどが生まれてくる。コーヒーは突然変異を起こしやすく、誰が意図したわけでもなく、いろいろな品種がボコボコ生まれ、人がそれを発見するということを繰り返している。下の図で、角丸四角形で表したものが突然変異。

そして、突然変異だけでなく、交配による新品種というのも、出て来る。ブラジルの主力であるムンドノーボはしかも、自然交配だ。

ゲイシャと言うのは由来不明だが、おそらくティピカ同様の原酒に近いものらしい。

そして、一般の人がよく耳にする、ブルーマウンテンとかモカとかいうのは、ブルーマウンテンであればジャマイカのブルーマウンテン山脈の標高800~1200mという限られた地域で栽培されるコーヒー豆のブランドを指していて、一般に有名なブランド名は実はコーヒー豆の品種ではなく産地であることが多い。コメで言うところの南魚沼産ということだ。

ここで「多い」という表現しかできないのは、ある文献ではブルーマウンテン種というものがあるように書かれていたり、「モカ」というブランドは、産地も多岐にわたっていたりするので、一般に流通しているブランド名は産地であることが多い、という表現しかできない。コメで南魚沼というのを品種と思っている人がいないのとは大きな違いだ。

コーヒーは主体となる人々がラテン人なのでいい加減なのか、世界に広がりすぎていて統一が難しいのかは分からないが、まあ複雑で混沌としている。知れば知るほど理科的な分類に慣れている人々にとってはとてもストレスを感じる世界だということにこちら側が慣れていかないとどうしようもない。

今後、統一化の動きが出てくるとは思うが、それおぞれの思惑、利害が一致しないだろうし、なにせ南米の人々が相手なので厳密な規格化は100年後でも実現はしないだろう。

今回はこのくらいにして、今後それぞれの豆について簡単にまとめてくとする。

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